シンプルで安い、小さい仏壇を探す!モダンな供養の形と選び方

現代のライフスタイルや住環境の変化に伴い、仏壇に求める価値観も多様化しています。特にマンションにお住まいの方からは、仏壇は欲しいけれど、大きいものは置けないという声をよく耳にします。
この記事では、シンプルで安い、小さい仏壇を探している方に向けて、後悔しない選び方のポイントを解説します。コンパクトでありながら、リビングのインテリアにも馴染むモダンなデザインや、温かみのある北欧風の仏壇にも焦点を当てます。
また、仏壇の代わりとして注目されている手元供養という新しい供養の形や、仏壇には何を置くべきか、便利な仏具セットの利点と注意点にも触れていきます。さらには、具体的な選択肢として、デザイン性に優れたOMOKAGE、HAJIME、MANAZASHIといった製品も、個人的な嗜好でご紹介します。この記事が、あなたにとって最適な祈りの空間を見つける一助となれば幸いです。
- ライフスタイルに合った小さい仏壇の選び方がわかる
- マンションにも合うモダンでおしゃれな仏壇が見つかる
- 手元供養や仏壇の代わりになる新しい供養の形を学べる
- 必要な仏具や飾り方に関する具体的な知識が身につく
シンプルで安い、小さい仏壇の選び方

- マンションにも置けるサイズと置き場所
- コンパクトな形状で選ぶ際のポイント
- モダンなデザインでお部屋に馴染ませる
- 温かみのある北欧風の素材を選ぶ
- 仏壇の代わりにもなる手元供養とは
- 仏壇には何を置くべきか?基本の仏具
- 必要なものが揃う仏具セットの利点
マンションにも置けるサイズと置き場所
マンションで仏壇を置く場合、多くの方がまず置き場所に悩みます。結論から言うと、仏壇の置き場所に厳格な決まりはなく、ご自身のライフスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
その理由は、仏壇が本来持つ意味が、ご本尊やご先祖様と向き合い、感謝を伝えるための祈りの場所であるからです。したがって、家族みんなが日常的に手を合わせやすい場所に設置することが、最も理にかなっていると考えられます。具体的には、家族が集まるリビングや、静かに過ごせる寝室などが候補に挙がります。かつては仏間や床の間が一般的でしたが、現代の住環境では、こうした場所にこだわる必要はなくなりました。
ただし、置き場所を選ぶ際にはいくつか注意点があります。まず、仏壇は木材などのデリケートな素材で作られていることが多いため、品質を長く保つためにも設置環境への配慮が求められます。例えば、直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所は、変色や乾燥によるひび割れの原因となるため避けるのが賢明です。また、湿気が多い水回りや、人の出入りが激しい玄関なども、落ち着いて手を合わせる環境としてはあまり適していません。
神棚があるご家庭では、仏壇と神棚が向かい合わせにならないように配置する配慮も必要です。これは、一方に手を合わせる際、もう一方にお尻を向けてしまう形になるのを避けるためです。少し位置をずらして設置すれば問題ありません。
以上の点を踏まえると、マンションにおいては、生活動線を確保しつつ、家族が自然と集まり、落ち着いて故人を偲べるスペースを選ぶことが鍵となります。
コンパクトな形状で選ぶ際のポイント
仏壇を置くスペースが限られている場合、コンパクトな形状の仏壇が非常に有効な選択肢となります。小さい仏壇と一言で言っても、その形状は様々であり、それぞれの特徴を理解することで、よりご自身の住まいに合ったものを見つけられます。
主に、コンパクトな仏壇には「上置き型」と「ステージ型(オープン型)」の2種類があります。
上置き型仏壇
上置き型は、従来の仏壇をそのまま小さくしたような箱型の形状をしています。チェストやサイドボードなどの家具の上に設置できるため、新たに大きなスペースを確保する必要がありません。扉が付いているものが多く、来客時などには扉を閉めておくことで、空間をすっきりと見せることが可能です。また、内部に棚が設けられているタイプもあり、ご本尊や位牌、仏具などをきちんと分けて飾れる点がメリットです。一方で、箱型であるため、ステージ型に比べると少し圧迫感を感じる方もいるかもしれません。
ステージ型・オープン型仏壇
ステージ型は、扉や箱型の囲いがなく、開かれた台座の上にお位牌や仏具を飾るタイプの仏壇です。非常にシンプルで開放的なデザインが特徴で、圧迫感がなく、どんなお部屋にも自然に溶け込みます。お気に入りの写真や故人の愛用品などを自由に飾ることができ、祈りの空間を自分らしく演出したい方に人気です。
ただし、ステージ型にはデメリットもあります。囲いがないため、お位牌や仏具にホコリがたまりやすくなる点が挙げられます。こまめな手入れが必要になることを念頭に置いておくと良いでしょう。
伝統的な仏壇の形式を大切にしつつ省スペース化したい場合は上置き型、より自由で開放的な祈りの空間を創りたい場合はステージ型が適していると考えられます。
モダンなデザインでお部屋に馴染ませる

近年、インテリアとの調和を重視したモダンなデザインの仏壇が大変人気を集めています。従来の仏壇が持つ荘厳なイメージとは異なり、まるで家具の一部であるかのような洗練されたデザインが、特に若い世代や洋風の住まいで暮らす方々に支持されているのです。
モダン仏壇の大きな特徴は、その素材と色合いの多様性にあります。例えば、ウォールナットやオーク、メープルといった高級家具にも使われる木材を使用することで、リビングの他の家具と統一感を出すことが可能です。木材の持つ自然な木目や温かみは、お部屋に落ち着きと上質な雰囲気をもたらしてくれます。
また、木材だけでなく、ガラスや金属といった異素材を組み合わせたデザインも増えています。扉部分にすりガラスを用いて内部を柔らかく見せたり、取っ手部分に金属をあしらってスタイリッシュなアクセントを加えたりと、そのデザインは多岐にわたります。これにより、仏壇という宗教的なアイテムが、生活空間に自然に溶け込むインテリアへと昇華します。
ただし、注意点として、あまりにもデザイン性が高すぎると、人によっては仏壇らしく見えず、手を合わせる対象として違和感を覚える場合があるかもしれません。特に、ご親族の中には伝統的な仏壇を重んじる方もいらっしゃる可能性があります。新しい仏壇を選ぶ際には、ご家族で事前に話し合っておくことも大切です。
最終的には、お部屋の雰囲気や故人のイメージに合うものを選ぶことが、心から満足できる祈りの空間づくりに繋がります。
温かみのある北欧風の素材を選ぶ

シンプルでナチュラルなスタイルが魅力の北欧インテリアは、日本の住まいにも広く受け入れられています。このようなお部屋の雰囲気に合わせて、仏壇も北欧風のデザインを選ぶ方が増えています。
北欧風の仏壇が持つ一番の魅力は、その素材感にあります。主に、ブナ(ビーチ)やメープル、タモといった、明るい色合いで木目が優しい白木調の木材が使われることが多いです。これらの素材は、空間を明るく、広く見せる効果があり、圧迫感を与えません。木の温もりが感じられるデザインは、見る人の心を和ませ、穏やかな祈りの時間をもたらしてくれるでしょう。
デザイン面では、華美な装飾を排し、直線や緩やかな曲線を活かしたミニマルなフォルムが特徴です。さらに、背板にアクセントとして、グレーやブルー、ベージュといった落ち着いた色のファブリック(布地)を使用したものもあります。これは、北欧家具のデザインから着想を得たもので、お部屋のソファやカーテンの色と合わせることで、より一層の統一感を演出できます。
一方で、白木調の仏壇は、濃い色の仏壇に比べて汚れや手垢が目立ちやすいという側面もあります。定期的にお手入れをすることで、長く美しい状態を保つことができます。
お部屋全体のインテリアテイストを大切にしながら、故人を偲ぶための特別な場所を作りたいと考える方にとって、北欧風の仏壇は非常に優れた選択肢と言えます。
仏壇の代わりにもなる手元供養とは

様々な事情から自宅に仏壇を置くことが難しい、あるいは置きたくないと考える方も少なくありません。そのような場合に、新しい供養の形として注目されているのが「手元供養」です。
手元供養とは、故人のご遺骨の全てをお墓に納めるのではなく、その一部を自宅など身近な場所に保管し、供養する方法を指します。ペンダントや指輪などのアクセサリーに加工したり、ミニ骨壷に納めたりと、その形式は多岐にわたります。宗教的な儀式や伝統的な形式に縛られず、故人をいつもそばに感じていたいという想いに寄り添って生まれました。
この手元供養の最大のメリットは、故人との精神的な繋がりを常に感じられる点です。いつでも手を合わせ、語りかけることができるため、残されたご遺族の心の支えとなるケースが多くあります。また、お墓を建立・維持する費用がかからず、経済的な負担を軽減できる点も大きな利点です。
しかし、手元供養を選ぶ際にはいくつかの注意点も存在します。まず、ご遺骨を自宅で保管することに対して、ご親族の中には抵抗を感じる方がいるかもしれません。事前に家族や親しい親族とよく話し合い、理解を得ておくことが不可欠です。
さらに、ご遺骨を納めたアクセサリーやミニ骨壷を紛失してしまうリスクも考えられます。万が一の事態を避けるためにも、保管場所や管理方法については慎重に検討する必要があります。ご自身が亡くなった後、そのご遺骨をどうするのかという将来的な問題も視野に入れておくべきでしょう。
これらのことから、手元供養は故人を偲ぶ心を大切にできる素晴らしい選択肢ですが、その決断は慎重に行うべきであると言えます。
仏壇には何を置くべきか?基本の仏具

小さい仏壇を選んだ際、「何をどこに飾れば良いのか」という疑問が生じるのは自然なことです。本来、仏壇にはご本尊や脇仏、お位牌、そしてお供えをするための仏具を飾りますが、コンパクトな仏壇ではスペースが限られるため、全てを飾るのは難しい場合があります。
まず、最も大切なのは、信仰の中心となる「ご本尊」です。宗派によって異なり、仏像や掛け軸といった形で表されます。そして、故人の魂が宿るとされる「お位牌」も重要な存在です。しかし、ミニ仏壇ではスペースの都合上、ご本尊かお位牌のどちらか一方、もしくはお位牌のみを祀るケースも増えています。
お供えをするための仏具については、「三具足(みつぐそく)」を基本として揃えるのが一般的です。三具足とは、以下の3つの仏具を指します。
- 香炉(こうろ): お線香を立てるための器
- 花立(はなたて): お花を供えるための花瓶
- 灯立(ひたて): ロウソクを立てるための燭台
これら3点があれば、日々のお参りに必要な最低限のお供えができます。
より丁寧にお供えをしたい場合は、三具足に「仏飯器(ぶっぱんき:ご飯用)」と「茶湯器(ちゃとうき:お茶・お水用)」を加えた「五具足(ごぐそく)」を揃えます。ミニ仏壇のサイズによっては、五具足や六具足(五具足に線香差しを加えたもの)を飾れるだけのスペースがあるものもありますので、購入前に仏壇の内部寸法を確認することが大切です。
何を飾るべきかに絶対的な正解はありません。ご自身の宗派の教えを参考にしつつ、仏壇のスペースとご自身の供養のスタイルに合わせて、心を込めて選ぶことが何よりも重要です。
必要なものが揃う仏具セットの利点

初めて仏壇を購入する際、仏具を一つひとつ選ぶのは意外と難しいものです。デザインやサイズ、素材など、考えるべきことが多く、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくありません。そのような場合に大変便利なのが、必要な仏具が一式揃った「仏具セット」です。
仏具セットを選ぶ最大の利点は、デザインや色合いに統一感が出せることです。モダンな仏壇に合わせたスタイリッシュなセットや、陶器やガラスで作られた優しい雰囲気のセットなど、仏壇のデザインテイストに合わせて作られているため、簡単におしゃれでまとまりのある祈りの空間を演出できます。
また、個別に購入する手間が省ける点も大きなメリットと言えるでしょう。何を揃えればよいか分からない初心者の方でも、セット商品を選べば、基本的にお参りに必要な仏具を網羅しているため安心です。多くの場合、個別に買い揃えるよりも価格が割安に設定されていることも魅力の一つです。
一方で、仏具セットには注意すべき点もあります。セット内容が固定されているため、中にはご自身の供養スタイルでは使わないものが含まれている可能性も否定できません。また、一つひとつの仏具にこだわりを持って選びたいという方にとっては、セット販売は物足りなく感じるかもしれません。
したがって、仏具セットは、手軽に統一感のある祈りの空間を作りたい方や、仏具選びに時間をかけられない方にとっては非常に有効な選択肢です。ご自身の仏壇のサイズやデザイン、そしてどのような供養をしたいかを考えた上で、最適なセットを選ぶことが大切になります。
いのりのおすすめ|シンプルで安い、小さい仏壇3選
いのりが個人的嗜好でおすすめする、シンプルで安い小さい仏壇を3つご紹介します。これらの仏壇は、無垢材を使用したスタイリッシュなデザインで、マンションのリビングにも自然に溶け込むモダンなデザインになっています。人によっては高く感じるかもしれませんが、クオリティと比較すれば、きっと安く感じてもらえるはずです。
- 省スペースに収まるスライド扉のOMOKAGE
- 光を取り込むデザインが美しいHAJIME
- 写真で偲ぶミニマルな祈りの場MANAZASHI
省スペースに収まるスライド扉のOMOKAGE

「OMOKAGE」は、現代の多様な住環境に寄り添いながら、本格的な祈りの空間を提供するために生まれた、非常に洗練されたモダン仏壇です。この仏壇が多くの人々から支持される最大の理由は、省スペース性と卓越したデザイン性を、日本の伝統的な職人技で見事に両立させている点にあります。
この製品を象徴する最大の特徴は、画期的な扉の開閉機構にあります。一般的な仏壇に採用されている観音開きの扉ではなく、本体の側面に扉が滑り込むように収納される「スライド式(戸袋式)」を採用しているのです。これは、日本の伝統的な建具である障子や襖(ふすま)の引き戸と同じ原理を応用したもので、扉を開けた際に本体の横幅以上にスペースが広がりません。
この構造により、例えばマンションのリビングの僅かなスペースや、これまで配置を諦めていたお部屋の角にも、すっきりと設置することが可能になります。扉を閉じた状態では、内部に仏壇があるとは想像できないほど、上質でミニマルな木製家具としての佇まいを見せ、リビングの景観を一切損なうことがありません。来客時など、必要に応じて祈りの空間をさりげなく隠せる点も、現代のライフスタイルに即した大きな利点と言えるでしょう。
品質面におけるこだわりも、この仏壇が持つ大きな魅力の一つです。生産を担うのは、100年以上の歴史を持ち、世界最大級の家具見本市「ミラノ・サローネ」への出展で国際的にも高く評価される家具の名産地、北海道旭川。そこで熟練した職人が、一つひとつ心を込めて丁寧に製作しています。
主材には、穏やかで美しい木目が特徴の北海道産タモ材を贅沢に使用。さらに、接着剤や塗料には、シックハウス症候群の原因となる化学物質の放散量が極めて少ないことを示す、国の最高安全基準「F☆☆☆☆(Fフォースター)」の認証を得たものだけを厳選しています。このため、小さなお子様やアレルギーに敏感な方がいるご家庭でも、安心して設置できる安全性への配慮がなされています。
機能面においても、使う人への細やかな配慮が随所に光ります。仏壇下部には、お線香や数珠、ロウソクといった日常のお参りに使う品々をまとめて収納できる引き出しを完備。それだけでなく、故人の思い出の手紙や写真など、大切な品をそっとしまっておくパーソナルなスペースとしても活用できます。
また、内部を照らす照明には、欄間の裏側に間接照明としてLEDライトが設置されています。ご本尊やお位牌を荘厳かつ柔らかにライトアップし、直接光が目に当たらないため、長時間の読経やお参りでも目が疲れにくいという利点があります。背板に使われているファブリックは、アイボリーやブラウン、ブルーなど複数のカラーから選択可能です。お部屋のインテリアに合わせたり、故人の好きだった色を選んだりすることで、世界に一つだけの祈りの空間を創り出す楽しみもあります。
価格は10万円台後半からとなっており、量産品のミニ仏壇と比較すると高価に感じられるかもしれません。しかし、これは単なる「物」としての価格ではなく、世界に誇る旭川家具としての確かな品質、そして日々の暮らしに心の安らぎをもたらす空間への投資と捉えることができます。一生を共にできる耐久性と、時を経るごとに愛着が増すデザイン性を考慮すれば、その価値は十分にあると考えられます。
光を取り込むデザインが美しいHAJIME

「HAJIME」という名前には、「宗教や形式にとらわれず、誰もが初めて手を合わせる、その清らかなきっかけになってほしい」という、作り手の深い願いが込められています。この製品は単なるコンパクトな仏壇ではなく、既存の仏壇の概念に一石を投じ、祈りのある暮らしの新しい関係性を提案する、思想性の高いミニ仏壇です。
この仏壇の設計思想を最も象徴するのが、光を巧みに操る、まるで小さな建築物を思わせるユニークなデザインにあります。一般的な箱型の仏壇とは一線を画し、台座部分よりも天板の奥行きを意図的に短く設計し、上部にやわらかな傾斜を設けています。この構造は、建築における天窓(トップライト)と同様の役割を果たし、照明器具に頼ることなく、上部から室内の光や窓からの自然光を効率的に内部へと導きます。
このデザインにより、ご本尊やお位牌、そして大切なお写真に不要な影が落ちにくく、常に明るく清浄な空間が保たれるのです。さらに、朝の柔らかな光、昼の明るい光、夕暮れの穏やかな光と、一日の時間の移ろいや季節のうつろいと共に、仏壇内部の光の表情もまた変化します。こうした自然のゆらぎの中で故人と対話する時間は、電気照明による均一的な明るさの中では得られない、深い心の静けさと豊かさをもたらしてくれるでしょう。人工的な要素を排し、暮らしの中にあるありのままの光で祈りの場を成立させるという、デザイナーの明確な哲学が感じ取れます。
もちろん、品質へのこだわりも一切の妥協がありません。前述の通り、製作は世界が認める家具の産地・北海道旭川の職人が担い、素材にはシックハウス症候群に配慮した最高安全基準「F☆☆☆☆」認証のものを採用しています。本体のタモ材の滑らかな手触りや、引き出しの取っ手にあしらわれたウォールナット材の温かみなど、細部に宿る品質の高さが、所有する満足感を高めてくれます。
また、内部に付属する取り外し可能な「仏の台」は、この製品の思想をより深く体現するパーツです。これは、信仰の対象であるご本尊と、故人の魂が宿るお位牌を同じ段に置かず、一段高い場所にご本尊を祀ることで敬意を示すという、仏教の伝統的な考え方を現代のデザインにスマートに落とし込んだものです。使う人の考え方に応じて、この台を使わずにフラットな空間として利用することも可能で、供養の形を限定しない柔軟な姿勢を示しています。下部には実用的な引き出し収納も備えており、デザイン性だけでなく日々の使い勝手もしっかりと考慮されています。
ただし、この仏壇を選ぶ際には、いくつか心に留めておきたい点があります。光を活かす設計だからこそ、その魅力を最大限に引き出すには、ある程度の明るさが確保できる場所に設置することが望まれます。光の乏しい場所に置くと、意図したほどの明るさが得られない可能性も考えられます。また、扉のないオープンな構造のため、ホコリが内部に入りやすい点は否めません。美しい状態を保つためには、日々の優しいお手入れを習慣にすることが大切です。
人工的な光ではなく、暮らしの中の自然な光の移ろいとともに、故人やご本尊と静かに対話する時間を持ちたいと願う方にとって、この「HAJIME」は他に類を見ない、かけがえのない祈りの空間となってくれるでしょう。
写真で偲ぶミニマルな祈りの場MANAZASHI

「MANAZASHI」は、仏壇という伝統的な形式から祈りを解き放ち、私たちが故人を偲ぶ上で最も身近な記憶の象徴である「写真」を主役とした、新しい時代の祈りの形を提案するメモリアルステージです。製品名が示す通り、大切な存在へ向ける温かい「眼差し」そのものを、祈りの中心に据えています。
この製品の設計思想は、一切の装飾を削ぎ落とした、ミニマリズムの極致とも言える構造に表れています。祈りの本質は何かを突き詰めた結果、そこには故人(またはペット)の面影が宿る一枚の写真と、それを支える最小限の舞台(ステージ)だけが残りました。一枚板から削り出された美しい木目の台座と、写真を優しく受け止める背板のみで構成されており、ネジや釘などの金具は一切使用していません。写真を差し込むための溝も、北海道旭川の木工技術によって精密に加工されており、見た目の美しさはもちろん、大切な写真を傷つけない細やかな配慮が感じられます。
素材には、清潔感のある明るい色合いのホワイトアッシュと、深く落ち着いた表情を持つウォールナットの二種類をご用意。どちらも天然木ならではの木目の流れが途切れることなく続き、一つとして同じ表情はありません。これは、手にする祈りの場が、世界に一つだけの特別な存在であることの証でもあります。
重さが約800gと非常に軽量である点も、この製品の大きな魅力です。女性でも片手で軽々と持ち運べるため、祈りの場所を固定するという概念から自由になれます。例えば、普段は家族が集まるリビングに置き、命日には故人が好きだった窓辺に移動させる、あるいは時には家族が集まる実家へ一緒に「帰省」するなど、想いに寄り添う新しい供養のスタイルが可能です。
写真を主役にするというコンセプトは、飾り方の自由度を飛躍的に高めます。故人が愛用していた腕時計や眼鏡、好きだったお菓子を供える小さな豆皿などを写真の隣に飾ることで、その人柄を偲ぶパーソナルな空間を創り上げることができます。
特に、この「MANAZASHI」はペット供養の場として選ばれることも少なくありません。人間のような戒名を持たないペットにとって、生前の愛らしい写真は、何よりも雄弁にその存在を語る礼拝の対象となります。大好きだったおもちゃや首輪、少しだけ遺毛を納めた小さなメモリアルケースなどを一緒に飾ることで、家族として過ごした温かい時間を偲ぶための、愛情に満ちた特別なコーナーが生まれるでしょう。
もちろん、このシンプルさゆえの注意点もあります。構造上、お線香を焚くための香炉や花立といった、ある程度の大きさがある仏具をステージ上に置くスペースは限られます。もし火を使うお供えをしたい場合は、ステージの前に不燃性の小さな香皿と香立てを用意したり、ロウソクの代わりに安全なLEDキャンドルを用いたりといった工夫が考えられます。また、デザイン性の高いミニ骨壷と組み合わせることで、写真を眺めながら故人の存在をより身近に感じられる、ミニマルながらも充実した手元供養の空間を設えることも可能です。
価格帯も3万円台からと比較的手頃で、誰もが気軽に始められる点も嬉しい配慮です。形式ばった供養ではなく、大切な写真に日々語りかけるような、ご自身の心にまっすぐ寄り添う祈りの形を求める方にとって、「MANAZASHI」は最もシンプルで、最も自由な選択肢となるに違いありません。
おすすめミニ仏壇 比較表
製品名 | 特徴 | サイズ感 | 価格帯 | こんな人におすすめ |
OMOKAGE | スライド式扉で省スペース。収納・LED照明付きで機能的。 | 中 | 高価格帯 | 機能性とデザイン性を両立させたい人。限られたスペースに置きたい人。 |
HAJIME | 自然光を取り込むデザイン。ライトなしでも内部が明るい。 | 中 | 低価格帯 | 明るい祈りの空間を望む人。デザイン性を重視する人。 |
MANAZASHI | 写真を飾ることに特化。ミニマルで軽量。 | 小 | 低価格帯 | 形式にとらわれず、写真を中心に故人を偲びたい人。ペット供養にも。 |
小さいシンプル安い仏壇で始める心豊かな供養
- 現代の住環境では小さいシンプルな仏壇の需要が高い
- 仏壇を小さいシンプル安いで選ぶ際はライフスタイルを考慮する
- マンションでは家族が集まるリビングなどに置くのが一般的
- 直射日光やエアコンの風が当たる場所は仏壇の劣化を早めるため避ける
- コンパクト仏壇には伝統的な箱型の上置き型と開放的なステージ型がある
- モダンなデザインはウォールナット材などを用いて洋室のインテリアにも調和する
- 温かみのある北欧風の仏壇は白木調の素材でナチュラルな空間を演出できる
- 仏壇を置かない場合は手元供養という選択肢もある
- 手元供養にはミニ骨壷や遺骨ペンダントなどが用いられる
- 手元供養を選ぶ際は親族の理解を得ることが大切になる
- ミニ仏壇に最低限必要な仏具は三具足(香炉・花立・灯立)
- 仏具セットはデザインの統一感があり初心者におすすめ
- OMOKAGEはスライド扉で省スペース性に優れ機能も充実している
- HAJIMEは光を取り込む独特のデザインで明るい祈りの空間を作る
- MANAZASHIは写真を飾ることに特化したミニマルな祈りの場
- 価格やデザインだけでなく故人を偲ぶ気持ちに寄り添う形を見つけることが最も重要
今回の記事では、マンションに合うシンプルで安い、小さい仏壇の、後悔しない選び方のコツなどをお伝えしました。長文になりましたが、大切なのは、価格や見た目だけでなく、自分や家族の想いに寄り添う祈りの空間を見つけることです。
皆さまにとって、最適な祈りの空間が見つかることを願っています。